薬剤師といえば、調剤薬局や病院での仕事が一般的。
でも薬局や病院はその日によって忙しさが変わったり、繁忙期には人出不足で心を失くすことも・・。
「もっとのんびり働きたい」「忙しすぎる職場はちょっと…」と感じることもありますよね。
実は、薬剤師の資格を活かしつつ、あまり知られていない珍しい仕事や、比較的ゆったり働ける職場もあるんです。
そんな 「薬剤師がのんびり働ける珍しい仕事」や「免許を活かしつつ負担が少ない仕事」 に注目し、それぞれの特徴や実態を詳しく解説していきます!

働き方を見直したい方や、もっと自分に合った仕事を探している方は、ぜひ参考にしてみてください。
薬剤師の珍しい仕事とは?薬局・病院・ドラッグストア以外の職業


薬剤師の仕事は調剤薬局や病院だけではありません。
意外と知られていないけれど、資格を活かせる仕事はたくさんあります。
たとえば、学校薬剤師として教育現場に関わったり、化粧品メーカーで商品の開発に携わったりすることもできます。
文章を書くのが得意なら、メディカルライターとして医療情報を発信する仕事もありますし、法律や捜査に興味があれば、麻薬取締官として働く道もあります。
また、薬学生を指導する予備校講師、医療機関をサポートする医療コンサルタント、医薬品卸業での品質管理など、活躍の場はいろいろな場所に。
さらに、公務員として刑務所の調剤業務に携わる仕事や、動物用医薬品の分野で働く選択肢もあります。
これらの仕事は、それぞれに特徴があり、働く環境や求められるスキルも異なります。
「のんびり働きたい」「自分に合った職場を見つけたい」と考えている方は、視野を広げて、自分にぴったりの仕事を探してみてください。



薬剤師としての新しい可能性が見つかるかもしれません。
のんびり働ける?珍しい仕事の業務内容!
学校薬剤師


学校薬剤師は、一般的な薬剤師の仕事とは少し違った役割を担っています。
調剤や服薬指導といった業務ではなく、
- 学校環境の衛生管理
- 薬物乱用防止教育
- 医薬品の管理
などを通じて、子どもたちの健康と安全を守る仕事です。
特に、学校保健安全法に基づき、小・中・高校などの教育機関に必ず設置されているため、需要の安定した職業でもあります。
主な業務の一つが環境衛生管理です。
たとえば、教室の照明や換気状況を確認し、空気の質や湿度、温度の測定を行います。
特に、コロナ禍では適切な換気の指導が求められ、学校薬剤師の役割が注目されました。
また、飲料水の安全性検査やプールの水質管理、排水設備の点検、騒音レベルの測定なども行い、子どもたちが安心して過ごせる環境を維持します。
また、医薬品の管理も学校薬剤師の大切な仕事です。
学校で使用する医薬品や劇薬を適切に管理し、緊急時に使用するエピペン(アドレナリン自己注射薬)やけいれん時の坐薬などが、適切に保管・運用されるよう指導を行います。
さらに、健康教育や薬物乱用防止教育にも関わります。
近年、若年層の薬物乱用防止が重要視される中、学校薬剤師が授業や講話を通じて、正しい知識を子どもたちに伝える機会も増えています。
学校の保健委員会に参加し、健康管理や安全対策の計画策定に協力することもあります。
このように、学校薬剤師は「縁の下の力持ち」として教育現場を支える仕事です。
学校に常駐する必要はなく、他の仕事と兼任することも可能なため、比較的自由度が高い働き方です。
子どもたちの健康を支えながら、ワークライフバランスを重視した働き方をしたい方におすすめの職業と言えるでしょう。



実際に学校薬剤師をしていたことがありますが、年に何回かのプールや保健室のベッドの検査や管理簿の確認をしたり、依頼があれば薬物乱用防止の公演に学校に出向くくらいなので、学校薬剤師の仕事だけで生活することはできません。
なので調剤薬局業務と兼任していたり引退された薬剤師さんが任務していることが多かったです。
地域にもよるかと思いますが、その地域の薬剤師会から所属している薬局に「学校薬剤師をやれる方はいませんか?」と依頼があるようです。
化粧品メーカー


薬剤師といえば、病院や薬局で働くイメージが強いですが、実は化粧品メーカーでも活躍できる職業です。
化粧品業界では、薬剤師の専門知識を活かして、製品の開発から品質管理、薬事申請、販売サポートまで幅広い業務に関わることができます。
① 研究・開発 – 新しい美の可能性を探る
化粧品メーカーでの薬剤師の役割の一つが、新しい成分の研究や処方開発です。
有効成分の組み合わせを検討し、試作品を作成することで、より効果的なスキンケアやメイクアップ商品を生み出します。
また、開発した製品が時間とともに変色したり、分離したりしないかなど、安全性や安定性の試験も重要な仕事の一つです。
薬機法や皮膚科学、生物学の知識を活用しながら、より良い製品を世に送り出すお仕事です。
② 品質管理 – 製品の信頼性を守る
開発だけでなく、製造過程の管理も薬剤師の重要な業務です。
製品が薬機法の基準を満たしているかチェックし、問題があれば品質を改善。
また、法改正があった場合には、それに適応した製造方法に変更する必要があり、最新の法規制を常にキャッチアップする力も求められます。
③ 薬事申請 – 販売までの重要なステップ
化粧品を市場に出すためには、厚生労働省への申請が必要です。
薬剤師は申請書類の作成や提出を行い、法的に問題なく販売できるように手続きを進めます。
また、広告の表現についても、誇大広告にならないようチェックするのも仕事の一つです。
たとえば、「シワが完全になくなる!」といった表現はNGですが、「肌にハリを与える」といった表現ならOKなど、法律に基づいた正しい宣伝が求められます。
④ 営業・販売サポート – 製品の魅力を伝える
開発した製品の魅力を正しく伝えるために、営業部や顧客向けに説明会を開くこともあります。
製品の成分や効果について科学的なデータを用いて説明し、信頼性を高めるのが役割です。
また、新しい成分や組み合わせについて特許を申請するケースもあり、化粧品業界ならではの知的財産管理にも関わることがあります。
このように、化粧品メーカーでの薬剤師の仕事は「医療×美容」の分野で活躍できる魅力的なキャリアです。
病院や薬局と違い、直接患者さんと接する機会は少ないですが、多くの人の「美」と「健康」に貢献できるやりがいのあるお仕事。



働き方も比較的落ち着いているため、研究や開発にじっくり取り組みたい方にはおすすめです。
メディカルライター


薬剤師の資格を活かして「書く仕事」に挑戦できるのがメディカルライターです。
医薬品や医療機器に関する専門的な文書の作成から、一般向けの健康・美容記事の執筆まで、その仕事内容は幅広く、「文章で医療を支える仕事」とも言えます。
① 医薬品・医療機器関連の文書作成 – 正確な情報を届ける
メディカルライターの代表的な業務の一つが、医薬品や医療機器に関する専門文書の作成です。
- 臨床試験の報告書や薬事申請書類の作成:製薬会社や医療機器メーカーと協力し、薬機法に基づいた申請書類を作成。
- 治験実施計画書・同意文書の作成:患者さんが治験に参加する際に必要な説明資料を作る。
- 総括報告書や照会事項への回答:厚生労働省からの質問に対する回答をまとめる。
これらの業務では、専門知識を正確に伝える力が求められます。
医療の分野では、少しの誤解が大きな問題につながるため、論理的に分かりやすく書くスキルが重要になります。
② 販促・広告関連の文章 – 医薬品を分かりやすく伝える
医療業界でも「広告」は重要です。
ただし、一般的な商品とは異なり、薬機法の規制をクリアしつつ、正しく魅力を伝える表現が求められます。
- 医薬品や医療機器のパンフレット作成:病院や薬局に置かれるリーフレットの作成。
- MR(医薬情報担当者)用の資料作成:製薬会社の営業担当者が医師に説明するための資料を作る。
- Webサイトやタブレット用コンテンツの制作:医療機関や製薬会社の公式サイトの記事を執筆。
③ 一般向けの医療情報発信 – 「正しい知識」を届ける
インターネット上には、医療に関する誤った情報も多く存在します。
メディカルライターは、信頼できる情報を分かりやすく伝える役割を担います。
- 病気、薬、美容、化粧品に関する記事執筆:健康サイトや雑誌などに掲載されるコラムを担当。
- 医療系サイトのSEO記事作成:検索エンジンで上位表示されるように、専門性と読みやすさを両立した記事を書く。
- 医療機関のWebサイトのコラム記事:病院やクリニックの公式サイト向けに患者さん向けの情報を提供。
④ 専門家向けの情報提供 – 医療従事者に役立つ知識を発信
医療従事者向けの文章もメディカルライターの仕事です。
- 医療従事者向け雑誌の記事執筆:最新の研究成果や治療法について解説。
- 学会発表レポートの作成:医師や研究者が学会で発表した内容をまとめる。
メディカルライターの魅力とは?
メディカルライターの仕事は、専門知識を活かしながら文章を書くことが好きな人に向いている職業です。
また、在宅勤務が可能で、自由な働き方ができるのも大きなメリット。
病院や薬局のようなシフト勤務ではなく、自分のペースで仕事を進められるため、ワークライフバランスを重視したい薬剤師にピッタリです。
「薬の知識はあるけれど、現場での仕事はちょっと大変…」という方も、メディカルライターなら無理なく続けられるかもしれません。
医療コンサルタント


薬剤師は、「医療コンサルタント」として活躍する道もあります。
医薬品開発のサポートから、病院の業務改善、患者ケアの向上まで、医療全体を支える仕事です。
現場での調剤業務とは異なり、より広い視点で医療に関わることができるのが特徴です。
① 製薬企業向けコンサルティング – 新薬開発をサポート
新しい薬が世に出るまでには、膨大な研究データの分析や、薬事法に基づいた申請書類の作成が必要になります。
薬剤師の専門知識を活かして、製薬企業がスムーズに開発を進められるようサポートするのが役割です。
- 新薬開発支援:有効性・安全性を考慮した開発戦略を提案。
- 臨床試験に関する申請書類の作成:治験データを整理し、薬事申請に必要な書類を作成。
- 薬事法に準拠した品質管理体制の構築支援:法規制に沿った医薬品の品質確保をアドバイス。
薬事法は頻繁に改正されるため、製薬企業が最新のルールに対応できるよう、法改正への対応策の提案や品質管理に関するアドバイスを行うことも大切な業務の一つです。
② 医療機関向けコンサルティング – 病院・薬局の業務効率化
病院や薬局でも、医療コンサルタントの活躍の場は広がっています。
特に、薬剤部門の業務プロセスを最適化したり、デジタルツールを活用して効率化を図ったりといったサポートを行います。
- 業務プロセスの最適化:医薬品管理や調剤の流れを見直し、よりスムーズに運営できるように提案。
- デジタルツールを活用した品質管理:電子カルテやAI技術を活用し、薬剤管理の負担を軽減。
③ チーム医療のサポート – 他職種と連携して医療を支える
医療現場では、薬剤師だけでなく医師や看護師、管理栄養士など多職種が連携して治療を行います。
医療コンサルタントは、こうしたチーム医療をより円滑に進めるための仕組み作りを担当する方もいます。
- 栄養サポートチームでの薬剤活用:患者の栄養状態に合わせた薬剤の選定や提案。
- 多職種間の連携強化:医師、看護師、薬剤師が円滑に情報共有できるシステムの導入支援。
④ 患者ケアの改善 – 服薬指導の強化や副作用管理
薬剤師の知識を活かし、患者さんへのアプローチを改善することも重要な役割です。
- 患者教育プログラムの構築:病気や薬について正しく理解してもらうための教材や指導方法を考案。
- 服薬指導の効果的な方法の提案:患者さんにわかりやすく薬の説明をする方法を医療機関にアドバイス。
- 副作用モニタリングシステムの構築:患者が副作用を適切に報告できる仕組みを作る。
医療コンサルタントの魅力とは?
医療コンサルタントは、薬剤師としての専門知識を活かしながら、より広い視野で医療業界をサポートできる仕事です。
直接患者さんと接する機会は少ないものの、医薬品の品質向上や病院の運営改善に携わることで、間接的に多くの人の健康を支えることができます。
また、現場のようなシフト制ではなく、自分のペースで働きやすい環境が整っているのも魅力の一つ。
製薬企業や病院と契約しながらフリーランスで活動することも可能で、自由度の高い働き方をしたい薬剤師さんにはおすすめです。
予備校講師


薬剤師としてのキャリアは、調剤薬局や病院勤務だけではありません。
「予備校講師」という選択肢も。
薬剤師国家試験の対策講座を担当し、未来の薬剤師を育てる仕事です。
「教えるのって難しそう…」と思うかもしれませんが、予備校講師の多くは実務経験も活かしながら、薬学の知識を学生に伝える役割を担っています。
試験範囲は広いですが、得意分野を中心に教えることができるため、講師未経験でも知識があれば始めやすいのが特徴です。
① どんな科目を教えるの?
予備校講師として教える科目は、薬剤師国家試験の出題範囲をカバーするものが中心です。主に以下の分野があります。
実務系科目 – 現場での応用力を伝える
- 服薬指導・処方提案:患者さんへの説明のコツや、処方の考え方を指導。
- 薬物相互作用:併用注意や禁忌の組み合わせを詳しく解説。
- チーム医療:医師・看護師との連携をどう深めるか。
- がん治療・感染症対策:最新の治療ガイドラインに基づいた知識を提供。
- 調剤業務に関する計算:正確な薬剤量の計算や処方解析を指導。
実際に薬剤師として働いた経験があれば、単なる暗記ではなく**「なぜこの知識が必要なのか?」を実践的な視点で教えられる**ため、学生にとっても理解しやすい授業になります。
薬剤学・薬理学 – 薬の動きを深く学ぶ
- 薬物動態学・薬物速度論:薬が体内でどのように吸収・分布・代謝・排泄されるか。
- 製剤の性質・製剤設計:剤形ごとの特徴や、薬の安定性を考えた設計。
- 薬理学・生薬学:薬の作用機序や天然由来の医薬品の特性。
これらの分野は、特に薬の仕組みを深く理解するために重要な科目です。現場での経験談を交えながら解説することで、学生が「なぜこの知識が必要なのか?」を実感しやすくなります。
化学・生物・公衆衛生系 – 基礎を固める
- 有機化学・物理化学・分析化学:薬の構造や反応性を学ぶ。
- 生化学・機能形態学・毒性学:体の仕組みや、薬の副作用を詳しく学ぶ。
- 食品衛生学・保健衛生学・環境衛生学:公衆衛生や食品の安全管理について。
② 予備校講師の魅力とは?
1. 自分のペースで働ける
調剤薬局や病院勤務のようなシフト制ではなく、授業のスケジュールに合わせて働くことが可能です。
フルタイムの講師だけでなく、非常勤講師として週に数コマ担当するスタイルもあります。
2. 現場経験を活かしながら知識を深められる
授業をするためには、自分自身も改めて知識を整理し、最新の情報を学び続ける必要があります。
そのため、「教えながら学ぶ」という環境が自然と整います。
3. 人と接する仕事が好きな人に向いている
講義を通じて多くの学生と関わるため、「知識を伝えることが楽しい」と思える人にはぴったりの仕事です。
学生が「先生のおかげで理解できた!」と言ってくれたときの喜びは、他の仕事ではなかなか味わえないやりがいの一つです。
③ こんな人におすすめ!
- 薬剤師としての知識を活かしつつ、柔軟に働きたい人
- 学生と関わるのが好きな人、人に教えるのが得意な人
- 調剤業務以外のキャリアに挑戦してみたい人
薬剤師資格を活かした仕事の中でも、「予備校講師」は知識を伝えるやりがいを感じられる仕事です。
医療業界の第一線で働くだけでなく、「未来の薬剤師を育てる」という新しい視点で、キャリアを広げてみるのも!
麻薬取締官


「麻薬取締官」と聞くと、ドラマや映画のような捜査シーンを思い浮かべるかもしれませんが、実は薬剤師の専門知識を活かせる国家公務員の仕事の一つです。
厚生労働省の地方厚生(支)局に所属し、特別司法警察職員として薬物犯罪の取り締まりや医療用麻薬の適正管理を行います。
① どんな仕事をするの?
麻薬取締官の業務は、大きく分けて「薬物犯罪の捜査」と「医療用麻薬の管理・指導」の2つに分類されます。
1. 薬物犯罪の捜査 – 「取り締まり」の仕事
- 規制薬物の密輸・密売の摘発
海外からの違法薬物の密輸や、国内での違法販売を取り締まります。 - おとり捜査・強制捜査の実施
違法取引の証拠をつかむため、捜査の一環としておとり捜査を行うこともあります。 - インターネット上の違法薬物取引の監視
最近では、闇サイトやSNSを利用した違法薬物の売買が増えているため、ネット上の監視活動も重要です。 - 薬物乱用防止活動
啓発運動や講演活動を通じて、一般市民や学生に薬物の危険性を伝え、乱用を防ぐ取り組みも行います。
2. 医療用麻薬の管理・指導 – 「監督」の仕事
- 病院・薬局・製薬会社への立入検査
医療用麻薬や向精神薬が適切に管理されているかを確認するため、定期的に検査を実施します。 - 麻薬・向精神薬の適正使用確認
医師や薬剤師がルールを守って医療用麻薬を処方・調剤しているかをチェックし、問題があれば指導を行います。 - 不正流通・使用の予防指導
麻薬が違法なルートで流出しないように、製薬会社や医療機関に対して適正な管理方法を指導します。
② どんな人がなれるの?
麻薬取締官になるためには、次の2つの条件を満たす必要があります。
- 薬剤師資格(または薬剤師国家試験合格)
- 国家公務員採用一般職試験の合格
全国に約300人いる麻薬取締官のうち、半数以上が薬剤師資格を持っているとされています。
薬物に関する深い知識を活かせるため、薬剤師には高い適性がある職業といえます。
③ 予想以上に「のんびり」働ける?
麻薬取締官は「捜査官」のイメージが強く、常に危険と隣り合わせのように思われがちですが、実際には病院や薬局の指導・検査業務が多く、比較的落ち着いた働き方も可能な職業です。
- 公務員としての安定した働き方ができる
シフト制ではなく、一般的な公務員と同じような勤務体系のため、ワークライフバランスがとりやすい職業です。 - デスクワークや指導業務がメインのポジションも
現場の捜査に関わることもありますが、長く働くうちに管理職へ昇進すると、書類作成や教育業務が中心になることもあります。
④ こんな人におすすめ!
- 薬剤師の知識を活かしながら、公務員として安定して働きたい人
- 医療用麻薬の適正管理や、薬物乱用防止に貢献したい人
- 捜査に興味があり、薬物犯罪の取り締まりに関わりたい人
医薬品卸業での品質管理


実は「医薬品卸業での品質管理」も薬剤師が活躍できる分野の一つです。
患者さんと直接接する機会は少ないものの、医薬品の品質を守る重要な役割を担っています。
医薬品は製薬会社で作られた後、卸業者を経て病院や薬局に届けられます。
その過程で、適切な温度・衛生環境で管理されなければ、品質が劣化してしまう可能性があります。
そこで、医薬品卸業の品質管理担当として、薬剤師が専門知識を活かし、安全に医療機関へ届けるための管理を行っています。
① どんな仕事をするの?
医薬品卸業における品質管理業務は、大きく分けて以下の5つに分類されます。
1. 温度管理 – 医薬品の品質を守るための基本
医薬品の中には、温度変化に弱いものが多くあります。
- 倉庫内の温度記録と確認
温度が適切に管理されているか、定期的にチェックします。 - 配送時の温度管理指導
特にワクチンや一部の注射剤など、冷蔵・冷凍管理が必要な医薬品は、配送中の温度管理が重要です。ドライバーへの指導も業務の一環です。 - 正しい温度での保管の徹底
医薬品ごとに適切な保管温度が異なるため、各商品の特性に合わせた温度管理を行います。
2. 期限管理 – 期限切れの医薬品が流通しないようにチェック
- 使用期限が迫っている医薬品の確認
期限が近い医薬品をリストアップし、適切に流通させるよう調整します。 - 期限切れ医薬品が出回らないよう管理
廃棄処理のルールを徹底し、期限切れの医薬品が市場に出ることを防ぎます。
3. 衛生管理 – 安全な環境を維持するために
- 商品保管倉庫の清潔維持
倉庫内の清掃や消毒を徹底し、医薬品が汚染されないように管理します。 - 営業所全体の衛生面の管理と指導
倉庫だけでなく、作業員の衛生管理も重要です。手指消毒の徹底や、衛生管理の指導を行います。
4. 保管管理 – 適切な分類と厳重管理
- 医薬品の適切な分類と保管
商品名、使用量、使用期限、製造番号ごとに医薬品を管理し、誤出荷を防ぎます。 - 厳重な管理が必要な医薬品の取扱い
麻酔薬、向精神薬、覚せい剤原料、毒薬、劇薬など、特に管理が厳しい医薬品は、法令に基づいた適正な保管が必要です。
5. 品質チェック – 医療機関へ確実に良品を届けるために
- 医薬品の変形や変色の確認
品質に異常がないか、外観や包装の状態をチェックします。 - 製薬企業が作った品質をそのまま医療機関へ届ける管理
製造時の品質が維持されているか確認し、問題があれば適切に対応します。
② 予想以上に「のんびり」働ける?
医薬品卸業の品質管理は、病院や薬局のような接客業務がなく、基本的にはデスクワークや倉庫管理が中心です。
そのため、患者対応のストレスがなく、落ち着いて働ける環境が整っています。
- 夜勤がなく、勤務時間が安定
病院勤務のような夜勤や当直はなく、一般企業と同じような勤務体系で働けます。 - 突発的な対応が少ない
病院や薬局では急な処方対応やトラブル対応が求められることがありますが、卸業の品質管理は計画的な業務が中心です。 - ワークライフバランスが取りやすい
残業が少なく、休日もしっかり確保できるため、プライベートを充実させたい人に向いています。
③ こんな人におすすめ!
- 薬剤師資格を活かしながら、落ち着いて働きたい人
- 調剤業務ではなく、品質管理や倉庫管理に興味がある人
- 夜勤や接客業務を避けて、規則正しい生活を送りたい人
医薬品卸業の品質管理という選択肢も、専門知識を活かしながら安定した働き方ができる魅力的な職業の一つです。
DI業務


薬剤師といえば、病院や薬局で働くイメージが強いですが、在宅勤務も可能な「DI(医薬品情報)業務」 という仕事があるのをご存じでしょうか?
DI業務は、医薬品に関する情報を扱う専門職であり、薬剤師の知識を活かしながら、自宅で働ける可能性がある のが特徴です。
① DI業務とは?
DI業務(Drug Information業務)は、医薬品に関する正確な情報を収集・整理し、医療従事者に提供する仕事 です。具体的には、次のような業務を担当します。
- 医薬品に関する問い合わせ対応
医師や薬剤師からの質問に答え、副作用や相互作用などの情報を提供します。 - 医薬品情報の収集・整理・評価
最新の医学論文や製薬企業のデータを分析し、正しい情報をまとめます。 - 医療従事者向けの資料作成
医薬品の適正使用に関するガイドラインや研修資料を作成します。 - 製薬会社のコールセンター業務
医薬品の適正使用をサポートするための相談窓口業務を担当することもあります。
② DI業務の在宅勤務はどこまで可能?
最近では、リモートワークが可能なDI業務 も増えており、薬剤師資格を活かしながら在宅で働けるチャンスがあります。
在宅勤務が可能なケース
- 製薬会社のDIセンター業務では、研修後に在宅勤務へ移行可能な求人 もある。
- 企業によっては、リモートワークを基本とし、必要に応じて事業所へ出勤する勤務形態 を採用している。
③ DI業務のメリット
在宅勤務の選択肢があるDI業務には、次のようなメリットがあります。
- ワークライフバランスの向上
自宅で働けるため、育児や家事と両立しやすい のが魅力です。 - 通勤ストレスの軽減
満員電車や長時間の通勤から解放され、自分のペースで仕事ができる。 - 専門性を維持・向上できる
最新の医薬品情報を扱うため、薬剤師としてのスキルを活かしながらキャリアを継続できる。
④ こんな人におすすめ!
- 薬剤師の資格を活かしながら、自宅で働きたい人
- 調剤業務ではなく、医薬品情報の管理や提供に興味がある人
- ワークライフバランスを重視し、柔軟な働き方をしたい人
DI業務は、薬剤師の知識を活かしながら、「のんびり働ける」選択肢の一つ です。
興味のある方は在宅勤務可能なDI業務の求人 をチェックしてみるのもおすすめです。
薬剤師の資格が使える「楽」に感じる仕事とは?


「楽な仕事」と一口に言っても、人によって感じ方は違います。
一般的に、働く時間や環境の柔軟性が高い仕事ほど、薬剤師にとって負担が少なく感じられる ことが多いようです。
- フリーランスや在宅勤務が可能な仕事(メディカルライター)
- 年に数回の勤務が可能な仕事(学校薬剤師)
- 長時間の立ち仕事が不要な職場(製薬会社)
調剤薬局や病院勤務に比べて、これらの職種は体力的・精神的負担が少ない のが特徴です。
ただし、どの仕事も専門性と責任が求められる ことには変わりません。



「楽=手を抜ける仕事」ではなく、自分に合った働き方ができる仕事 を選ぶことが、ストレスを減らしながら長く続けるコツかもしれません。
のんびり働ける仕事は本当に楽?向いている人は?
「のんびり働ける仕事がいいな」と考える人は多いですが、実際にのんびり働けるというのが本当に楽なのか? というのは、一概には言えません。
人によって「楽」の感じ方は異なり、向き不向きもあります。
のんびり働ける仕事の特徴とは?
「のんびり働ける」とされる仕事には、次のような特徴があります。
- 納期や時間のプレッシャーが少ない
- 業務量が比較的安定している
- 突発的なトラブルが少ない
- 体力的・精神的負担が軽い
例えば、自分のペースで仕事を進めやすく、急な対応が求められる場面が少ない仕事というのが、「のんびり働ける仕事」に分類されることが多いです。
のんびり働ける仕事は本当に楽なのか?
一見すると「のんびり=楽」に思えますが、必ずしもそうとは限りません。
① 自己管理が求められる
のんびり働ける仕事は、指示待ちではなく、自分で考えて動く力が必要 です。
特に、在宅勤務やフリーランスの場合、「今日は気が乗らないからサボろう」と思っても、納期は待ってくれません。
② 収入が安定しにくいこともある
のんびり働ける仕事は、給与が低めに設定されている場合や、業務量によって収入が変動するケース もあります。
自由な働き方と収入の安定を両立するには、ある程度の工夫が必要です。
③ 成長ややりがいを感じにくい場合も
「のんびり働ける」ことを重視しすぎると、スキルアップの機会が減ることもあります。
刺激が少ない仕事だと、慣れてしまうと単調に感じる こともあるでしょう。
のんびり働ける仕事に向いている人は?
ここでいう「のんびり働ける仕事」が合うかどうかは、人によって異なりますが、次のような人には、「向いている」と言えるでしょう。
- 自分でスケジュールを管理できる人
- 急なトラブル対応が苦手な人
- 決まった仕事をコツコツこなすのが好きな人
- ワークライフバランスを重視したい人
逆に、刺激がないと退屈に感じる人 や 高収入を目指したい人 には、のんびり働ける仕事は物足りなく感じるかもしれません。
自分に合った働き方を見つけることが大切
のんびり働ける仕事には、時間の余裕やストレスの少なさ というメリットがありますが、自己管理や収入の安定性などの課題もあります。
結局のところ、大切なのは「自分に合った働き方を見つけること」。
のんびり働ける仕事が「楽」なのかどうかは、自分の価値観やライフスタイル次第です。



どんな仕事を選ぶにしても、無理なく続けられる働き方を考えてみるのがよさそうですね。
まとめ
薬剤師の資格を活かしつつ、負担の少ない仕事にはさまざまな選択肢があります。DI業務、メディカルライター、学校薬剤師、製薬会社勤務 など、それぞれにメリット・デメリットがあり、向き不向きもあります。
「のんびり働ける=楽」とは一概には言えませんが、自分のペースで働きやすい仕事を選ぶことで、ストレスを減らし、ワークライフバランスを整えることが可能 です。
忙しさに追われる毎日に疲れてしまったら、少し立ち止まって、「どんな働き方が自分にとって一番心地よいのか?」 を考えてみるのも大切ですね!



薬剤師の資格を活かしながら、自分に合った働き方を見つけていきましょう!
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